USAヒーラージュリア鈴木亮子さん:2015年~2年ほど通ってくださったFさんのお話しをさせてもらいます。
Fさんは60代後半の生物学の女性教師。動物がとても好きで猫を飼われ、アニマルシェルターへボランティアに行っている動物愛護者でした。
私の友人から西洋レイキレベル2まで習っていましたが、ご自身に対する自己ヒーリングは全くやっていらっしゃらない方でした。
セッションに通われて1年ちょっと過ぎたあたりから、頻繁にFさんの頭によくない響きを感じるようになりました。
片頭痛もちというわけではありませんでしたが、頭痛がしだすと、なかなかおさまらないとおっしゃっていたので「専門医の診断を受けた方がいいかも...」と医療機関への受診をすすめたこともありました。
ある日、セッション中に頭部からよくない響きを長時間感じたのと、顔つきがいつもと違っていたので「やはり病院へ行ってみられた方がいいのかもしれませんね...」と言ったところ
Fさんは「私も気になったので、明日予約を取っているんです」とおっしゃいました。(アメリカの病院は100%予約制です)
翌日の病院受診前、友人とランチ中にFさんは耐えられない頭の激痛で倒れ、救急病院へ運ばれました。
Fさんの友人が私に電話をくださり、精密検査の結果、脳腫瘍という診断を受けたことを教えてくださいました。
この日から私は、週に1回のペースでFさんの入院先の病院の集中治療室でヒーリングを開始しました。
10日くらい経ってから手術があり、みかんほどの大きさの腫瘍の大部分は除去されましたが、完全除去はできなかったと聞きました。
その後退院し、病院体制が整った養護施設へ引っ越されました。
脳細胞の切除でしたので、日常の行動にも影響が出るかと思いましたが、言語や運動神経には影響がなく、多少忘れっぽくなる、ごくごく軽い認知症の初期症状が少し出る程度で済みました。
この施設へ週に2回ほど通ってレイキヒーリングを続けさせてもらいました。
それでもFさんは「病気のことを考えると吐き気がするほどの絶望感に襲われる」とおっしゃっていましたので
様子をみながら、レイキを学ばれているFさんに、レイキによる働きかけについて復習と再確認もかねて私から
「レイキによって、必要な時、必要なことが起こり、受け手はそれらを淡々と受け入れるだけ。
最初からレイキに即効性やミラクルを期待するものではなく、穏やかに、その人にとって必要な状況に導いていかれるもの」
即効性等が起こるかどうかはレイキにお任せなので分からない。生=〇、死=×ということではない。
というような説明も言葉を慎重に選びながら、改めてさせてもらいました。
Fさんは通常の通いのヒーリングセッションの他に、ほぼ毎晩、遠隔セッションも依頼され、行わせてもらい、検査の前日には長いヒーリングを頼まれました。
「セッションを多くやった週は体調がよく、できなかった週は具合が悪くなる」とおっしゃっていました。私は依頼されれば単にこたえるだけ、ではなく
「ヒーリングを受けてリラックスする感触を覚えておいて、ヒーリングを受けられない時には受けた時のリラックス感を思い出してエネルギーの流れを感じてみてください」というようなお願いもさせてもらいました。
ご本人もレイキヒーラーですので「ご自身でもヒーリングできるんですよ」ということもお伝えしましたが、気持ち的に自己ヒーリングをできる余裕は無い感じでした。
Fさんのことを通じて、国内外関係なく、レイキを習っていても、ご自分でレイキをされない方はいらっしゃいますので、
それがどういう理由からきているのかに興味をもち、考えさせられる機会にもなりました。
ご自身のレイキ伝達力の自信のなさ?実は頭では理解しているつもりでも、手を当てるだけのレイキそのものへの不信感?レイキを受け入れられていない状態なのか?
初めのころは、やり手の自分に体感を得ることが難しかったとしても、受け手の状態や癒しの感想から納得せざるを得ない状況になり、それが自信に繋がっていく方が多いので、
自己ヒーリングや他者ヒーリングをさせてもらうことは大切と思います。
また、病気云々関係なく、日常生活で普段からレイキを流して、ご自身の身体にレイキを馴染ませ、レイキの流れるパイプを太く育てておくことは、
いざという時に、ご自身で自己ヒーリングの技法が出来ないような状況であっても、習慣によりイメージだけでもレイキを流せたり、受け手になった時に、よりレイキが流れやすい状態にキープできている点で有効と思われます。
私は毎年1月には3-4週間ほど日本へ行くので、不在中のヒーリングを友人のレイキヒーラーにお願いして日本へ行きました。
1月下旬にアメリカへ帰国すると、Fさんの娘さんから電話があり、脳腫瘍が進行しFさんは入院しているということでした。
12月はとても調子が良かったので驚きました。
それからどんどん状態が悪くなり、認知症のような症状も強くなっていきました。
病院へヒーリングに伺っても、強い痛み止めのため寝ている状態が続いていました。
ほんの1か月前は普通に生活していたのに…
1週間くらい経ったある週末の日に娘さんから電話があり、Fさんが危篤状態なので来れたら来てほしい、と言われました。
私はものすごく驚きました。
とにかくすぐに病院へ駆けつけ、意識のないFさんの足に手を置き、ヒーリングを開始しました。
それから10分くらい経ってから、ふっと軽くなるような感触を覚え、思わず空中を見上げました。
Fさんを見ると、呼吸が止まっていました。
すぐに看護師さんを呼びましたが、ご逝去されましたと告げられました。
この時に病室にいたFさんの友人たちから、Fさんが私のレイキセッションをいつも本当に心待ちにしていて、1月に私が来れなかった間、とても不安がっていた、ということをはじめて聞き、
私はたまらなくなってその場で嗚咽してしまいました。
時差があるので、日本から連絡せずに遠隔ヒーリングはさせてもらっていましたが(遠隔をさせてもらう前に、この方にとって必要であれば受け入れてください。と心の中で伝えてから開始し、少し様子をみてから、大丈夫であれば継続しています)
離れていても遠隔ヒーリングをさせてもらうことと、ちゃんと届いていることをFさんにコミュニケーションが成り立っている時にお話ししておいた方が安心してもらえたのではないかと思いました。
友人ヒーラーから「あなたは、やれることはやった。寿命は変えられない。Fさんは最期にMoMoさんからのヒーリングを受けて、安心して旅立たれたと思う」と言われました。