台風が去った翌日、夏の暑い昼間なのに
セミが一匹も鳴いていない静寂さに気づき、数年前のできごとを思い出しました
普段は窓を閉めていても耳を澄ますと、いろんな鳥や虫の鳴き声が聴こえてくるのですが
ある早朝の薄明るい中、初めて聴いた時は、窓を閉め忘れたかな?と確認したほど
その日以降、一羽の鳥のよく通る鳴き声が聴こえるようになりました
高音で早口の鳴き声から、鳥の姿を小柄で目が丸く、丸メガネもかけていそうな、見た目は地味な羽色の鳥じゃないかな?と想像していました
連日、その華やかな鳴き声に私は反射的に薄目をあけ、早すぎる朝を確認します
草木に宿る他の生き物たちは聴き入っているのかな?と思うほど、その一羽以外、とても静か
・・・そっか~朝礼が始まったんだ。と、フッと笑って目をとじ
鳥先生のオペラ調のお話を、皆と一緒に聴きながら癒され
またスーッと眠りに落ちます
ある日の早朝
あれ?いつもより鳥先生の声、小さい?
いや、そうじゃなくて、今日は高い所にいるよね?
私の耳がおかしいのかな?と思い
三回あくびをしても聴こえ方が変わらないので、寝たまま伸びをしたり、上半身を起こして首を回したりしてみましたが、自分の耳がおかしいわけではないようです
あれ?まだ鳴いている。今日はお喋りが特に長いな(笑)
・・・なんかいつもと違うな。と思いながら
いつものように寝て、起きて
その日の朝8時前、大きな地震がきました
(2018.6.18大阪府北部地震)
あとから振り返ると、こじつけのようになりますが・・・
鳥先生はその朝、いつもより高い所から、少しでも遠くまで、多くの仲間に危険を伝えようと、長く鳴いていたのかなと
今回、書くことになり、鳥の鳴き声が特徴的なので、どんな鳥なのかSNSで調べてみたのですが、ミソサザイという鳥だと思われます
まず鳥を見てビックリ、私が想像していた通り、丸メガネも似合いそうな姿でした
更に鳥好きな方々の解説を読ませていただくと『日本最小級なのに王様』ともありました
おぉ、先生ではなく、王様でしたか。おそれいりました
私の記憶にあった鳥先生の丸メガネを外し、頭に小さな冠をのせてあげます
小物で印象って、こんなにも変わるものなのね~
記憶を上書き保存!
今はもう、鳥先生の鳴き声は聴こえなくなり
いろんな種類の鳥や虫が、川のせせらぎのような鳴き声になって聴こえてきますが
あの日の王様の鳴き声、覚えています
感謝