・23.11.1

台風が去った翌日、夏の暑い昼間なのに

セミが一匹も鳴いていない静寂さに気づき、数年前のできごとを思い出しました

 

普段は窓を閉めていても耳を澄ますと、いろんな鳥や虫の鳴き声が聴こえてくるのですが

 

ある早朝の薄明るい中、初めて聴いた時は、窓を閉め忘れたかな?と確認したほど

 

その日以降、一羽の鳥のよく通る鳴き声が聴こえるようになりました

 

高音で早口の鳴き声から、鳥の姿を小柄で目が丸く、丸メガネもかけていそうな、見た目は地味な羽色の鳥じゃないかな?と想像していました

 

 

連日、その華やかな鳴き声に私は反射的に薄目をあけ、早すぎる朝を確認します

 

草木に宿る他の生き物たちは聴き入っているのかな?と思うほど、その一羽以外、とても静か

 

・・・そっか~朝礼が始まったんだ。と、フッと笑って目をとじ

 

鳥先生のオペラ調のお話を、皆と一緒に聴きながら癒され

 

またスーッと眠りに落ちます

 

 

ある日の早朝

 

あれ?いつもより鳥先生の声、小さい?

いや、そうじゃなくて、今日は高い所にいるよね?

私の耳がおかしいのかな?と思い

 

三回あくびをしても聴こえ方が変わらないので、寝たまま伸びをしたり、上半身を起こして首を回したりしてみましたが、自分の耳がおかしいわけではないようです

 

あれ?まだ鳴いている。今日はお喋りが特に長いな(笑)

 

・・・なんかいつもと違うな。と思いながら

 

いつものように寝て、起きて

 

 

その日の朝8時前、大きな地震がきました

(2018.6.18大阪府北部地震)

 

あとから振り返ると、こじつけのようになりますが・・・

 

鳥先生はその朝、いつもより高い所から、少しでも遠くまで、多くの仲間に危険を伝えようと、長く鳴いていたのかなと

 

今回、書くことになり、鳥の鳴き声が特徴的なので、どんな鳥なのかSNSで調べてみたのですが、ミソサザイという鳥だと思われます

 

まず鳥を見てビックリ、私が想像していた通り、丸メガネも似合いそうな姿でした

 

 

更に鳥好きな方々の解説を読ませていただくと『日本最小級なのに王様』ともありました

 

おぉ、先生ではなく、王様でしたか。おそれいりました

 

私の記憶にあった鳥先生の丸メガネを外し、頭に小さな冠をのせてあげます

 

小物で印象って、こんなにも変わるものなのね~

 

記憶を上書き保存!

 

今はもう、鳥先生の鳴き声は聴こえなくなり

 

いろんな種類の鳥や虫が、川のせせらぎのような鳴き声になって聴こえてきますが

 

あの日の王様の鳴き声、覚えています

 

感謝