・甘酸っぱい

一時期、朝の通勤ラッシュ時間帯、電車を利用する機会があり、

その時の気分で早く着く電車に乗り、職場でお茶を飲んでひと息ついたり、早いけれど混んでいる電車を見送り、各駅停車で座ってゆったり気分で行ったりしていました

 

ある日の朝、ホームに出ると、早い電車の到着、出発待ちをしている、空いている各駅停車の電車がとまっていたので乗ると、斜め前にその駅にある学校の制服姿の男の子が座っていました

 

降りるはずと思ったので前に立ったのですが、カバンの中をゴソゴソ『忘れ物?』と思って

 

同じ車両の離れた席に座りました。男の子はまだ座っています

 

私はいつもならうたた寝したり、スマホをいじっていることが多いのですが

 

『どうして降りないの?』男の子が気になります

 

見ていると口パクとジェスチャーで車外、階段前にいる同じ制服姿の男の子とコミュニケーションをとっていました

 

階段男の子は、つま先立ちしたり、低く屈んだりして誰かを捜しているようです

 

この男の子も謎。『なぜ車内に座っている同じ学校の男の子と一緒に学校へ行かないの?』

 

階段男の子、車内男の子に首を横に振っています

 

車内男の子、座ったまま腕時計を見ます。肩が大きく上下に動きます。ため息?

 

ホーム隣に早い電車が入ってきました(こちらの電車は次発)

 

さっきまでジェスチャーだったのに、階段男の子が「来た!」と大きな声で言い、あわててマスクの上から両手を押さえてました

 

『エッ誰?』キョロキョロ

 

よく分からないけど、私がドキドキ笑

 

 

車内男の子の貧乏ゆすりが止まり、座りなおして踏ん張る感じに

 

『降りる?え、まだ降りないの?』

 

突然、ドタバタっと前かがみで車内に飛び込んできたのは、少し先の駅にある別の学校の制服姿の女の子

 

男の子がサッと立ち

 

そこに

 

女の子はスッと座ります笑

 

なるほど~(≧▽≦)

 

私が座れない理由がわかりました…

 

発車合図の音

 

車内男の子が出て、階段男の子とハイタッチで合流

 

扉が閉まり、電車がほんの少し後ろに下がって前にゆっくり動きだし

 

さっきまで子供っぽく見えた男の子が、少年に見えます

 

女の子は恥ずかしそうに下を向いたまま。電車にガタゴト左右に身体を大きく揺られ

 

肩を上下に動かしながら呼吸を整えている様子

 

『間に合って、よかったね』

 

 

ある日、たまたま前より少し早い時間、各駅電車の気分だったので、到着するのを待って並んでいたところ

 

先頭に見覚えのある制服の女の子が立っていました

 

電車の扉が開き、しばらくして見覚えのある少年二人とすれ違いました

 

あ、あの子たちだ~^^

 

姫はチョコンと座り、鏡を見て前髪を整えています

 

事情を知っているからか、前より可愛らしく見えます

 

みんなそれぞれに色んなストーリーがあるのだろうなと

 

きっと、彼らのストーリーに私は登場していない笑

 

ずいぶん前の私のストーリーですが、彼らは今も登場

 

小さな出来事の中にも大切なものが詰まっている気がします

 

私の前に並んでいる人にも、後ろの人にも、駅に限らず、店員さんにも、みんなストーリーがあるはず

 

いつも同じ時間、決まった場所でも、ちょっとしたストーリーに出会えるかも